Q&A
過払い金の対象になるのはどんな人ですか?
1 過払い金の返還を受けられる可能性があるケースの概要
端的に申し上げますと、貸金業者等に対して、利息制限法で定められた上限を超えた利息を支払っていた方は、過払い金の返還を受けられる可能性があります。
貸金業者等がお金を貸し付ける際には、利息を設定します。
その際に設定してよい利率は、利息制限法という法律で上限が決められています。
もし利息制限法の上限を超えた利息を支払った場合、超えた部分については、貸金業者等に返還を求めることができます。
利息制限法で定められた上限を超えた利息の設定は、最高裁判所の判断により、無効とされているためです。
以下、利息制限法の制限を超えた利息を支払っていたケースの具体的内容と、過払い金の返還請求権の消滅時効について説明します。
2 利息制限法の制限を超えた利息を支払っていたケースの具体的内容
一般的には、平成18年(2006年)以前に、消費者金融などの貸金業者等との間で借入れと返済を繰り返していた方は、利息制限法の制限を超えた利息を支払っていた可能性があります。
平成18年に、利息制限法の上限を超えた金利の設定は無効であるという最高裁判所の判決が出ましたが、それ以前は、高利率の金利を設定していた貸金業者が多かったためです。
そして、この最高裁判所の判決を受けて、それまで利息制限法の上限を超えた利息を設定していた貸金業者等は、利息制限法の上限以下の利息を設定するようになりました。
そのため、平成18年以前に貸金業者等から借入れと返済をしていた場合には過払い金の返還を受けられる可能性があり、逆に平成18年以降になって貸金業者等から借入れと返済を始めた方の場合、過払い金が発生している可能性は低くなります。
3 過払い金の返還請求権の消滅時効
過払い金の返還を求めることができる権利は、最後の取引(完済)から5年で、時効により消滅してしまいます。
そのため、利息制限法の上限を超えた利息を支払っていて過払い金が発生しており、かつ完済の日から5年が経っていない場合には、過払い金の返還を求めることができる可能性があります。
また、過払い金の返還請求権の発生原因が、消滅時効に関する民法が改正される令和2年4月より前に形成されていた場合、過払い金返還請求権は最後の取引から10年間で消滅すると考える余地があります。